株式会社COCOROZASHI 久野 創

Guest Profile

久野 創(きゅうの・はじめ)

1984年生まれ。WEBプロモーション事業を行なう営業系ベンチャーに創業時から参画。事業本部長として、年商6億円規模まで事業を成長させる。2016年8月、株式会社COCOROZASHIを設立、代表取締役に就任。

特集前年比356%成長の集客サービス「タグロボ」 中小美容院をメインに 年商10億円超えをめざす インスタグラム活用

1.スケールさせるには マーケットを選ぶ力が重要

いまや人の賑わうところ、人気のスポットなどでは、気軽にスマートフォンで撮影し、SNS上にアップし、その画像を友人、知人と共有しながら、「いいね」したり、フォローしたりして、お互いにコミュニケーションを深めていくことが、ごく日常的に行なわれている。その分野でとくに、20代、30代から圧倒的に支持されているのがInstagram(インスタグラム)だ。
 このインスタグラム利用者数の急激な成長に注目し、美容室、飲食店、ネイルサロンなど中小の店舗への集客サービス「タグロボ」を開発、顧客の獲得に悩む事業者から喜ばれているのが、COCOROZASHI(ココロザシ)である。同社は、WEBプロモーション事業を行なう営業系ベンチャーで創業時から事業の立ち上げに携わり、事業本部長として年商6億円規模まで成長させた久野創が2016年8月に創業した会社だ。
 久野はインスタグラムを活用したビジネスを立ち上げた理由を次のように語る。
「独立起業する際に、前職時代の社長から『本人にいくら実力があっても、成長を見込めないマーケットで戦っていては、ビジネスをスケールさせることは難しい。マーケットを選ぶ力が重要だ』とアドバイスをもらった。インスタグラムにはその可能性をしっかり感じた」

2.利用料は月額1万円 獲得単価は100円余

16年にあるエンジニアとの出会いが、タグロボ開発の第一歩になった。
 当時すでに、インスタグラムを活用したビジネスを展開する企業が出始めていたが、その多くは、主にインフルエンサーを目指す個人向けにフォロワー数を増やすサポートをするというものだった。
 それに対し、久野が描いたモデルは「BtoスモールB」。しかもフォロワー数を増やすだけでなく、そこから店舗への集客やブランディングにつなげるというもので、「フォロワー数の獲得だけでは、一定数に達したら顧客は離れていく。それでは安定したビジネスには育たない」という確固とした考えを持って臨んでいた。つまり既存のインスタグラム活用ビジネスとは根本から違っていたのだ。
 タグロボのターゲットは美容室、飲食店、ネイルサロン。そのマーケットだけで200万~300万店あるといわれていたからだ。
「美容室向けにネットを使った集客サービスには圧倒的な巨人がいる。美容業界でその効果を知らない人はいないが、品質も高い代わりに負担するコストも安くはない。個人事業に近い規模で営む人にとっては手が出しにくい。安価でそれに代わるものを提供できればチャンスがある」
 久野の考えを聞いたエンジニアは「それならいける!」と即答したという。
 タグロボは、人工知能を搭載したロボットがインスタグラムのユーザーに代わって運用し、顧客になりそうなユーザーをフォローしながら、フォロワー数を増やし、実店舗への誘導をサポートするサービスだ。初期費用0円、設定費用0円、利用当初の5日間無料、その後の継続利用は1ヵ月1万円で、いつでも解約可能、その際のペナルティもない。サービス利用のためのハードルを徹底的に低くした。
「現在の顧客数は約1000店。フォロワーが目に見えて増えていくこともあり、無料期間を過ぎても継続利用するケースがほとんど。中には当社の立ち上げ当初から2年以上継続いただいているお客さんもいる」
 もちろん集客にも確実に結びついている。これまでの最高の事例では、ある美容院で「1カ月に70人」の新規来客につながったという。1万円の費用で70人であれば、1人当たりの集客コストはわずか100数十円。そのコストパフォーマンスは極めて高い。
「大手サービスのように1ヵ月で数百人規模の集客はさすがに厳しいが、継続すればするほど効果は出る。タグロボの導入効果を見込み、2店舗目の出店を決めた美容院もある」

3.求める人材は “成長痛が楽しめる人”

顧客獲得のための主たるアプローチには、自社によるインサイドセールス、代理店活用、WEB経由の3種類があり、このうち、もっとも効果が出ているのがインサイドセールスだ。社内でインスタグラムの検索機能を活用して営業先リストを作成、創業からブラッシュアップを続けてきたトークスクリプトに基づき電話をかけていく。「アルバイトがテレアポした場合でも、一般に言われているテレアポ実績(100件で1件程度)より、はるかに高い成果が出せる」というほど、ノウハウが仕組み化されている。また最近では、タグロボの集客効果を実体験した店舗からの紹介による顧客獲得も増えているという。
「当面の顧客目標は1万店。月額1万円×1万店あれば、年商ベースで10億円を超える」
 そのためには正社員を含めたスタッフの確保が重要になる。現在社員6名のところ、年内にはその2倍の規模に拡大させる計画だ。新卒採用についても、20年3月卒を対象に着手していく。
 久野は社員や採用面接に際して、よくサッカー元日本代表の本田圭佑の言葉を借りて「成功にとらわれるな。成長にとらわれろ」と声をかけるという。そして「成功はやってみないとわからないが、必ず成長はできる。当社で頑張れば、ほかのどんな会社でも通用するだけの成長は保証する」と。
 そして、求める人材についても、ユニークな表現を用いている。それは「成長痛が楽しめる人材」だ。
 会社が急成長していけば、必ず、現場での働き方にも負荷がかかる。このプロセスを経ずに急成長できる会社はない。つまり、そうした急成長する会社にいる(=仕事の内容がハードになっていく)ことを楽しみながら働ける人ということになる。
「彼らの力も借り、2年以内には、顧客1万店を達成したい」
 にこやかに語る久野の表情は、揺るぎない自信に満ち溢れている。

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