ライフスタイルデザイン株式会社 石浦 浩

Guest Profile

石浦 浩(いしうら・ひろし)

1977年生まれ。大学卒業後ベンチャー企業の立ち上げメンバーとして関わるが、わずか半年で独立。2000年11月に創業し、03年3月法人化し代表取締役社長兼CEOに就任。10年11月、創業10周年を機に、企業理念・事業コンセプトを明確化するため、今のライフスタイルデザイン株式会社に商号変更、ライフスタイルコンシェルジュ構想を旗揚げし現在に至る。

特集「8ppy」が世界中の人々の生き方を分析し、 自分らしい生き方を提案する 〜web3.5の真髄〜

1.ビッグデータ時代に革新的な新潮流を生み出すイノベーター

ライフスタイルデザインが構築中の
ライフスタイルコンシェルジュプラットフォーム
「8ppy(ハッピー)」について前号に続いてお話を聞きました。

「8ppy」は今後さまざまなサービスをリリースしていく予定ということだが、主に核となるサービスは、「8ppyRecords(ハピレコ)」と「8ppyTrends(ハピトレ)」だ。

2.SNSの先を行く ライフストリーミングメディア (Lifestreaming Media) 「ハピレコ」

ハピレコは生活者が日常の中で感じたことや心が動いた一コマを記録していくことで、将来、いまある自分と向き合う場面が来たときに、いつでもその当時の心境の変化や楽しい思い出などを振り返ることができ、それをきっかけに新たな夢や目標が生まれ、楽しい人生が継続的に送れるように、背中を押せる役割を目指しているという。
 その思いにふれるたびに、とてつもない壮大さを感じる。いわゆる現代の承認欲求を満たすために、なんでもオープンに投稿するようなブログやSNSではなく、あくまでベースは生活者自身が自分のためにつける人生ノートのような存在として一生涯使ってもらえるサービスを目指している。このサービスの価値が世の中に浸透していけば、これまでオープンなSNSの利用に抵抗があったユーザーを含めて、現代のSNSユーザーのハピレコへの乗り換えが始まり、勢力図は大きく塗り替えられるかもしれない。
 ライフスタイルデザイン社長の石浦浩に「このサービスを簡単に表現するとしたらどんなサービスか」をいま一度まとめてもらった。「ハピレコは人生という長い時間軸がベースにあり、思い出を整理して引き出しにしまっておくことで、いつでもその瞬間の場面に戻れるようなタイムマシン的存在で、次世代型の新しい形のライフストリーミングメディアです」ということだ。ネット社会が成熟し、世の中に浸透しているSNSがさまざまな課題を抱えているなか、このハピレコはSNS依存からの脱却や、SNSが引き起こす社会問題をも解決してくれるような可能性をとても感じる。
 ただ、ここで一つ疑問が生まれる。自分中心で一見クローズドなサービスに見えるハピレコだが、承認欲求を求めている従来のSNSユーザーをどう囲い込むのかということだ。これについて石浦に聞いてみると、即答で返ってきた。
「確かに承認欲求が得られることがSNSの醍醐味である一方、いまのSNSの問題点の一つに、自由度が高いが故にその投稿に対する影響の意識が低くなっていて、投稿した内容が反感を買い炎上したり、気軽に友だちやフォロワーとしてつながることで、どうでもいい投稿を目にしたり、見たくもないリア充アピールへの嫌気がさしたりと、不特定多数の人が見ているからこそ起きる、価値観の違いやSNS上の人間関係等に疲れ、SNS離れが起き始めているのも実情だと思います。ハピレコはこの問題点を誰にどの情報を見せるかを細かく設定することができますし、従来の承認欲求を得られる仕組みも備えており、これまでのSNSの課題克服と高いセキュリティが備わっているのも特徴です」
 ライフストリーミングメディアという自分中心のメディアでありながら、従来のSNSの特徴を継承しつつ、SNSの問題点の解決策も考慮されているというまさに革新的アイデアだ。
 ハピレコは現在まだリリース前だが、年内のリリースを目指しているということなので期待が高まっている。

3.あらゆるトレンドが丸わかり 「ハピトレ」

ハピトレというサービスについても聞いてみた。
「ハピトレはありとあらゆるニーズや好みについて、世論全般的にどういう傾向にあるのかのお題を立てることもできるし、その結果を属性フィルタはもちろんのこと、時間軸による変化の傾向などかなり細かく詳細なデータをリアルタイムに収集し確認・分析することができる、まさに生活者ニーズが集まるプラットフォームです。生活者は商品やサービスを購入するときに、さまざまな視点で比較検討をしますし、企業側としては、いまどんな生活者ニーズがあるのかをできるだけ最新の情報でかつ細かく把握した上で、商品やサービス開発をしてヒット商品を生みたいと思っていますし、マーケティング改善にも重宝します。
 前号で述べた8ppyのマーケティングメリットとなるビッグデータの元は、このハピトレの集合知とハピレコの『個』の深いデータのミックスされたデータになります。
 企業が市場調査で生活者にアンケートを取る際、報酬を払って回答等してもらわないとなかなか情報が集まらなかったり、お小遣い稼ぎで適当なアンケートを答えるユーザーもいたりするので、どこまでが正確な情報なのかも疑わしかったりします。ハピトレは企業側から個別のアンケート募集もできるのですが、ベースは生活者が普段思っている、『あるある』や『ドキドキ』『モヤモヤ』等、生活者が好きなことや興味のあることについて、自ら自主的に投票することによって自分と他人の価値観の違い等を把握したり、共感しあったりして楽しめる場をベースとして考えていますので、より精度の高いトレンドを知ることができます。将来的にはメディアで取り上げられる『◯◯調べ』も、『ハピトレ調べ』がスタンダードとなれば影響力も大きくなり嬉しいですね」
 ハピトレも興味深いサービスで期待大。現在開発中とのことだ。

4.8ppyがもたらす世界

最後に、8ppyが普及するとどういう世界が訪れるのか聞いてみた。
「さまざまなサービスと8ppyが連携することで可能性は無限大です。一つ大きな例えで言うならば、弊社がいま、ご支援しているような検索エンジンのSEO対策の場合、現状はどれだけそのサイトがユーザーの検索意図に適したサイトであるかという視点で順位がランク付けされており、さらに検索エンジンのアカウントにログインした状態で検索すると、検索エンジン上の行動履歴からパーソナルレコメンドがなされ、人によって検索結果が多少異なるようになっています。これが仮に将来Googleと提携し、8ppyIDとGoogleアカウントが紐づけられ、検索した瞬間に紐付けられた8ppyIDのビッグデータを参照することが可能になったならば、検索クエリに含まれていないユーザーニーズも汲み取れることになり、ユーザーに適した結果を優先的に上位表示させることも可能になると思います。

例:「タワーマンションに住むなら何を重視するか」で「夜景」と8ppy側で答えている人が、Googleで「タワーマンション」と検索すると、自動的にその人に合った「夜景」が観れるタワーマンションのおすすめページが上位表示されるようなイメージです。

 その他にも同様の仕組みで、求人サイトや婚活サイトなどと連携すると、ハピレコやハピトレに蓄積された情報をもとに、その人に合った求人やパートナーをレコメンドされるような世界も想像できるかと思います。この生活者一人ひとりの深層心理や価値観の変化を時間軸のビッグデータとして8ppyで所有しているので、各サービスと連携することで、生活者のライフスタイルが豊かになり、かつ企業としてはおもてなしマーケティングを提供できることになります」
 とても壮大なビジョンであり、今後の8ppyが楽しみでならない。
 なお、8ppyはビジネスモデル特許も出願しており、開発体制の強化のため、資金調達も検討しているという。

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