ライフスタイルデザイン株式会社 石浦 浩

Guest Profile

石浦 浩(いしうら・ひろし)

1977年生まれ。大学卒業後ベンチャー企業の立ち上げメンバーとして関わるが、わずか半年で独立。 2000年11月に創業し、03年3月法人化し代表取締役社長兼CEOに就任。 10年11月、創業10周年を機に、企業理念・事業コンセプトを明確化するため、今のライフスタイルデザイン株式会社に商号変更、ライフスタイルコンシェルジュ構想を旗揚げし現在に至る。

特集ビッグデータ時代に革新的な新潮流を生み出すイノベーター

1.IT×深層心理分析を可能にした AIレコメンドエンジンがマーケティング手法を一変させる

ライフスタイルデザインという社名は事業コンセプトの総称でもある。同社が進めているのは「ライフスタイルコンシェルジュ・プラットフォーム構想」という野心的なビジネスだ。このビジネスは「ライフスタイルと社会にイノベーションを興し続け、生活者も社会も8ppy(ハッピー)にしたい」という社長・石浦浩の起業当時からの熱い思いがこめられている。

2.「8ppy(ハッピー)」と名付けたこの事業への思いについて、石浦はこう語る。

「生活者が物事を決断したり、商品やサービスを選択・購入するに至るまでには、その根底となる理由や意思決定プロセスが必ず一人ひとりに存在します。弊社はこれまでwebマーケティングの集客支援を中心に展開して参りましたが、特に昨今の生活者行動の起点となっている検索エンジン経由によるユーザーの検索意図に秘められた心理の研究を通じて、より深い生活者の深層心理の分析こそが、現代のライフスタイルが多様化している社会に適応できる真の“おもてなしマーケティング”になると捉え、そのプラットフォーマーとして生活者も社会もハッピーにしたいという考えに繋がりました。
“おもてなしマーケティング”は各企業で、AI(人工知能)やロボット等も導入したりして試行錯誤しながらも努力されているとは思いますが、これまでのマーケティングフレームワーク(STPやAISAS)では、今時点でのマーケティング戦略は打てても、多様化する生活者のライフスタイルの変化を察し、ニーズを追い続けることはなかなか難しいと思います。企業としては時代のトレンドをいち早く察し、確度の高い戦略を打ち、常に潜在的な見込み客の獲得とおもてなしによるファン化ができるかが、今後の企業の生き残りを決めるといっても過言ではないと考えております。
 単純に今webで主流のアクセスが多いサイトに広告を出すとか、フォロワーが多いネットワークを使ってインフルエンサーマーケティングをするとか、それは一時的な効果であり、ファン化することとはイコールではありません。
 重要なのは、人生の節目となる就職や結婚などのライフステージが変わるときや、海外旅行や転職などさまざまなライフイベント、日々入ってくるニュースや出来事によっても感情が動かされ、人生観や価値観の変化が生まれます。それらの時間軸の変化がビッグデータとして蓄積されAI的に分析してこそ一人ひとりの深層心理が解明され、生活者の生き方や消費行動分析にもつながり、精度の高いライフスタイルマーケティングが実現できるようになります。」

3.「8ppy」を活用すれば、企業は何を実現できるのか。

石浦は4つを挙げる。①今まで分からなかった潜在顧客、潜在ニーズを発見できる、②新たな顧客獲得が増え、既存の顧客のリピート機会を増やせる、③顧客度の深耕を図れて、ファン度を向上できる、④業者間、業種間で今までになかったシナジーが生まれて、新たな送客、協業を実現できる。
 この手法が普及すれば、マーケティング関連企業の勢力分布も一変するかもしれない。石浦はそこまで視野に入れているという。

4.次号につづく

今回は「8ppy」のマーケティングメリットを中心に語って頂いたが、「8ppy」は、マーケティングのみならず、生活者の価値観や深層心理を分析できることから、「人事採用面でも大いに活用でき、人材業界の変革を起こせる可能性も秘めている」と石浦は言う。次回は「8ppy」がもたらす人のマッチングの実現構想や今回のマーケティング効果のもう少し具体的なお話を聞きたいと思う。

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