SFPホールディングス株式会社 佐藤  誠

Guest Profile

佐藤 誠(さとう・まこと)

(さとう・まこと) 1963年生まれ。88年旧サムカワフードプランニング入社。2003年取締役営業部長、11年サムカワフードプランニング(現SFPホールディングス)取締役商品本部長などを経て、13年、代表取締役社長に就任(現任)。

特集直営、FC、M&Aを駆使し「SFPフードアライアンス構想」の実現をめざす

1.直営、FC、M&Aを駆使し「SFPフードアライアンス構想」の実現をめざす

2.――2018年度は新規出店を抑えて、既存店のテコ入れに重点が置かれました。「磯丸水産」を「鳥良」に20店舗、「いち五郎」に5店舗転換しましたが、勢いよく店舗数を拡大してきた「磯丸水産」は、踊り場に差しかかっているのでしょうか。

3.――「鳥良」、「磯丸水産」の主力業態に続くセカンド業態が、「いち五郎」、「五の五」、ですね。業態開発はどんな方針で行なっているのですか。

4.――餃子業態の店が増えているようですが、「いち五郎」の特徴は何でしょう?

5.――新業態のアイデアはどのように導き出すのですか。

6.――今後、全国規模で進めていく「SFPフードアライアンス構想」の狙いを聞かせていただけますか。

7.――M&A候補が御社と同じ業態を展開している場合、どう判断するのでしょう?

8.――一方、FCオーナー企業はどんな基準で選定していますか。

9.――親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングスが取り組む「グループ連邦経営」とのメリットは何ですか?

10.――今年(19年)10月に消費税率が10%に引き上げられます。売上げへの影響をどう見通していますか。

11.――若手の外食経営者に対する助言もお願いします。業界の大先輩として何を大切に経営に臨んでほしいと思いますか。

12.――お客様に向き合っていくことがやはり一番重要なんですね。本日はありがとうございました。

1.直営、FC、M&Aを駆使し「SFPフードアライアンス構想」の実現をめざす

2019年2月28日、東証一部市場へ指定変更されたSFPホールディングス株式会社。同社では、
「日本を豊かにする【食】の専門店集団を目指す」というビジョンを掲げ、「磯丸水産」、「鳥良商店」、
「いち五郎」などのブランドを中心に、主に首都圏・関西圏において店舗展開を進めてきた
(19年2月末現在、229店舗)。経営理念の「時流を先見した《こだわり》の限りなき追求」をかたくなに守り、
「オンリーワン」をめざす同社代表取締役社長佐藤誠氏に、経済ジャーナリスト・小野貴史が今後の戦略について迫った。

2.――2018年度は新規出店を抑えて、既存店のテコ入れに重点が置かれました。「磯丸水産」を「鳥良」に20店舗、「いち五郎」に5店舗転換しましたが、勢いよく店舗数を拡大してきた「磯丸水産」は、踊り場に差しかかっているのでしょうか。

佐藤 決してそういったことではありません。磯丸水産の立地は駅前の一等立地が多かったのですが、小商圏にも店舗展開を広げてまいりました。小商圏店舗の中には、売上げが思うように伸びなかった店舗もあったため、小商圏にマッチする業態を模索した結果、「鳥良商店」や「いち五郎」がマッチすると判断し、合計20店舗業態変更をしました。

3.――「鳥良」、「磯丸水産」の主力業態に続くセカンド業態が、「いち五郎」、「五の五」、ですね。業態開発はどんな方針で行なっているのですか。

佐藤 一番大切なのはお客様のニーズを探ることです。いまではSNSでさまざまな情報が手に入りますので、日頃から情報収集は欠かせません。実際に自分の足で店舗を回り、その中で、現代のニーズと私たちが得意とする居酒屋をマッチさせ、開発したのが餃子製造販売店の「いち五郎」、大衆酒場「五の五」です。マルチな店舗展開を掲げている私たちですが、一つの軸となっているのが、すべて目的店にするということを大切に業態開発に力を入れています。

4.――餃子業態の店が増えているようですが、「いち五郎」の特徴は何でしょう?

佐藤 焼き餃子、水餃子、炊き餃子、揚げ餃子と4ジャンル、十数種類の餃子をお楽しみいただけることが1番の特徴です。また女性のお客様にも召し上がりやすくするために、ニンニクを使用しているのは1種類だけです。

5.――新業態のアイデアはどのように導き出すのですか。

佐藤 ベースコンセプトは私が考えることが多く、日頃から収集した情報を元に考えたアイデアを業態開発チームに伝え、組み立てていくスタイルです。

6.――今後、全国規模で進めていく「SFPフードアライアンス構想」の狙いを聞かせていただけますか。

佐藤 これまでは首都圏および関西圏を中心に出店し、ブランド形成を行なってきました。今後の展開として、全国展開を視野に入れた成長戦略に入っていきます。「SFPフードアライアンス構想」は、全国の地方都市において豊富な居酒屋経営ノウハウを有する企業と資本提携し、当社の主力ブランドを提供することで成長を支援し、その一方で、提携先の独自ブランドの育成・強化や広域展開をサポートしていきます。そうすることでSFPグループの企業価値を高め、グループ企業とともに成長していきたいと考えています。

7.――M&A候補が御社と同じ業態を展開している場合、どう判断するのでしょう?

佐藤 類似した業態でも特に問題なく、逆に仕入れに関してシナジーが生まれる可能性があると思います。

8.――一方、FCオーナー企業はどんな基準で選定していますか。

佐藤 主に銀行やメーカーから、私たちを理解し、ともに成長できる外食企業を紹介いただいています。FC企業様とは、信頼関係が大切だと考えておりますので、外食事業への理解が深い企業様のほうが、より良い関係を構築できると考えています。

9.――親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングスが取り組む「グループ連邦経営」とのメリットは何ですか?

佐藤 すでにグループ各社の間で、食材の仕入れや厨房機器の導入、人材採用などで連携しています。例えば、同じメーカーの同じ調味料の仕入価格がグループ各社で異なっている場合、価格を見直すなど合理化を図っています。クロスファンクションで検討しシナジーを生んでいると思います。

10.――今年(19年)10月に消費税率が10%に引き上げられます。売上げへの影響をどう見通していますか。

佐藤 外食には駆け込み需要がないので、あまり影響はないと見ています。ただし、今回は軽減税率への対応として、テイクアウトの対応強化は課題のひとつだと考えています。

11.――若手の外食経営者に対する助言もお願いします。業界の大先輩として何を大切に経営に臨んでほしいと思いますか。

佐藤 偉そうなことは言えませんが、私はビジョンとパッションの2つを大切にしています。ビジョン、つまり目標や目的を持ち、達成するための努力をし続ける情熱を持つこと。当たり前のことですが、来店してくださったお客様がどうしたら喜んでもらえるのかを常に考え、お客様に寄り添っていくことを私は一番大切にしています。

12.――お客様に向き合っていくことがやはり一番重要なんですね。本日はありがとうございました。

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