株式会社カーベル 伊藤一正

Guest Profile

伊藤一正(いとう・かずまさ)

1970年生まれ。高校時代は生徒会長、専門学校では卒業生総代、家電営業マン時代はレコードビルダー。前職のオニキスでは取締役を務める。2006年カーベルを設立し、代表取締役に就任。14年エイベックスよりCDデビュー。16年メキシコにてプロレスデビュー、同年東久邇宮文化褒賞受賞。16年後楽園ホールにて国内プロレスデビュー。創業から12年で、売上げ53億円を達成。

特集日本初に挑む

1.”人前力(ひとまえりょく)”✖「お客様の声」でナンバーワン事業を創り続ける

若者の車離れに、総人口の減少で、クルマのマーケットが先々、縮小していくことは避けられない。しかし、そんなマーケットを相手に、いっこうに勢いが止まらない会社がある。
『新車市場』のブランドのもと、月々1万円から新車に乗れる「ナンバーワン・セット」、10分100円の「100円レンタカー」など、車に関するオンリーワンのサービスをチェーン展開(加盟店約950店舗)しているカーベルだ。
「とくに地方を見ればわかるように、車はいまだ日常の足として欠かせない。これまでと同じようなカーライフの提案や販売方法では厳しいが、お客様の声を反映したサービス、販売方法なら、ナンバーワンになれる」
 そう胸を張るのが、同社社長の伊籐一正だ。
 現在、社員数54名。4人から6人が1チームとなって全国を回り、加盟店の研修サポートや新規募集の説明会を行なうのが日常業務だ。
「7~8人相手のこともあれば、80人もの人前で話すこともある。自分の思い、考えをしっかりと伝えることが成果につながる」
 だから同社が社員に対して、もっとも重きを置くのが“人前力(ひとまえりょく)”だ。人前力とは「自分の考えを、自分の言葉で伝える力」のことで、コミュニケーション能力と言い換えてもいい。
「人前力がつけば、自信をもって仕事ができる。そうなれば、成果につながり、評価も上がる」

 カーベルのビジネスのこだわりは、“日本初”、“業界初”、“大手のマネをしない”ということだ。そのため「お客様の声に耳を傾け、そこからビジネスを創造する」ことを基本にしている。だから毎年400万円ほどの予算をかけて、店頭、インターネット、街頭などでとにかくお客様の声を聴きまくる。
「当社はみんなにうけるサービスではなく、“10人中1人にうけるサービス×10個”出そう!」という方向性だ。
 日ごろから情報のアンテナを立てておくことを社員に徹底しているのもそのためだ。
「街中で見つけた衝撃画像コンテスト、流行りものを川柳にするコンテストなどを、定期的に実施している。やり続けると、一人ひとりに眠っている感性、才能が目覚めることもある」
 2006年にカーベルを設立、以来12年が経過した。その間、同社ではこうしたことをブレずにやり続けてきた。もしもオーナー社長である伊藤が「こういうことをやりたい」と言っても、同社の基本の考え方に沿ったものでなければ、社員が「NG」を出す。いまでは、そういう文化が社内にしっかり根付いているという。
 実は伊藤にはカーベル社長のほかに、もうひとつの顔がある。16年にデビューしたプロレスラーとしての顔だ。現在も月に1度はリングに上り、暴れ回っている。
「これは私の個人的な趣味と会社の広告塔としての活動だが、社員に対しても、仕事上の成果を通じて、自分のやりたい夢を叶えるサポートもしていきたい」
 19年1月26日、カーベルの社員でチームをつくり「TMSC富士エコノミーラン2019」に参戦した。参加費用は会社負担だったという。

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