株式会社オプトホールディング 鉢嶺 登

Guest Profile

鉢嶺 登(はちみね・のぼる)

(はちみね・のぼる)1967年生まれ。91年早稲田大学商学部卒。 森ビル株式会社にて3年間の勤務の後、94 年米国で急成長しているダイレクトマーケティング業を日本で展開するため有限会社デカレッグス(株式会社オプトを経て現在は株式会社オプトホールディング)設立。代表取締役社長に就任。2004年にジャスダック上場、13年に東証一部上場。15年に持ち株会社体制へ移行し、17年3月株式会社オプトホールディングの代表取締役社長グループCEOに就任。経済同友会幹事、新経済連盟理事。

特集企業のあらゆるデジタルシフトを推進する。成長を持続できる仕組みをつくり世界で最先端の国に

1.企業のあらゆるデジタルシフトを推進する。 成長を持続できる仕組みをつくり 世界で最先端の国に

2.――御社の2018年度第3四半期決算は連結売上高が前年比8・4%増で、とくにマーケティング事業は11・4%増と好調でした。何が競争力になったのでしょうか。

3.――同業他社への優位性はどのように保っているのですか。

4.――地方中小企業向けインターネット広告事業では18年1~9月の累計売上高成長率が前年比42・7%でした。この分野でも御社がナンバーワンですね。

5.――ブルーオーシャンのような状況ですか?

6.――なぜソウルドアウトが独占できているのですか。

7.――並み居るプラットフォーマーが頼る地位を確保したわけですね。

8.――御社は18年からの3カ年計画で、戦略テーマとして「ザ リーダー イン デジタル シフト:ニュー ステージ 2020」を掲げました。20年まで2年ですが、見通しはいかがですか。

9.――マーケティング事業と並ぶ事業の柱であるシナジー投資事業では、どの分野への投資に注力していく方針ですか。

10.――投資の可否を判断する基準は何でしょうか。

11.――では、鉢嶺社長の目線はどこに向かっていますか。

12.――ワクワクするお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

1.企業のあらゆるデジタルシフトを推進する。 成長を持続できる仕組みをつくり 世界で最先端の国に

2019年に創業25周年を迎え、今年を
「デジタルシフト元年」と位置付けるオプトグループは、
「ザ リーダー イン デジタル シフト
~デジタル産業革命を「支援・変革・創造」~」を
経営テーマに掲げ、デジタルシフトの
リーディングカンパニーとしてまい進している。
グループの創業者で
グループCEOである鉢嶺登氏に、
経済ジャーナリスト・小野貴史が今後の戦略について迫った。

2.――御社の2018年度第3四半期決算は連結売上高が前年比8・4%増で、とくにマーケティング事業は11・4%増と好調でした。何が競争力になったのでしょうか。

鉢嶺 当社の強みは、大企業向けではブランド企業向けと流通小売企業向けの広告です。ブランド広告については、16年にネット広告代理店でいち早くブランド広告専門部署を立ち上げて、「アドプラン リーチ シミュレーター」というツールを開発しました。テレビ広告に年間10億円を費やしている場合、どれぐらいネット広告(たとえば動画広告やSNS広告など)に費やせば最大の効果をだせるのかをシミュレートするツールで、大企業にて次々と成果が出ています。
 流通小売業については、新聞購読の減少でチラシ広告の効果が低下しているなかで、当社は「toSTORE(トストア)」というツールを開発しました。例えば半径1キロメートル以内にいまいる方のスマートフォンなどに広告を表示できるツールで、この分野では圧倒的なシェアを持っています。

3.――同業他社への優位性はどのように保っているのですか。

鉢嶺 流通小売企業の広告取り扱いでは店舗集客効果などの実データ保有量が重要ですが、我々は先行している分、データの保有量が豊富で、それをもとに新たな提案をして受注につながるというサイクルが形成されています。

4.――地方中小企業向けインターネット広告事業では18年1~9月の累計売上高成長率が前年比42・7%でした。この分野でも御社がナンバーワンですね。

鉢嶺 この分野はソウルドアウトという子会社が担当していますが、100億円以上を取り扱っているのは同社のみで、競合がいない状況です。

5.――ブルーオーシャンのような状況ですか?

鉢嶺 まさにそういう状況です。

6.――なぜソウルドアウトが独占できているのですか。

鉢嶺 単純に地方の中小企業のネット広告は、これまで儲からなかったからです。単価が低くて手間がかかるので、他社が手を出さなかったのです。ソウルドアウトは7年をかけて儲かる仕組みを開発して、17年に東証マザーズに上場しました。地方の中小企業のシェアを確保したことで、ヤフー、グーグル、フェイスブック、LINEとも提携しました。

7.――並み居るプラットフォーマーが頼る地位を確保したわけですね。

鉢嶺 地方の中小企業の開拓や支援は非常に手間もコストもかかります。当社はすでに20拠点以上展開しているので、プラットフォーマーからすれば当社と組めば効率的ですからね。

8.――御社は18年からの3カ年計画で、戦略テーマとして「ザ リーダー イン デジタル シフト:ニュー ステージ 2020」を掲げました。20年まで2年ですが、見通しはいかがですか。

鉢嶺 いまのところ順調に進んでいます。企業のあらゆるデジタルシフトが進むなかで、広告代理店の枠を超えて商品開発や人の派遣、社員のデジタル教育など周辺の業務を依頼されるようになりました。
 中国IT業界の視察ツアーの随行依頼も増えています。中国のIT業界はシリコンバレーよりも進んでいて、視察随行ではクライアント業種ごとに視察先を設定しています。我々は中国にインキュベーション施設を7カ所運営しているので、つねに最先端のネット事情を把握でき、加えて中国ネット業界三大企業であるBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)など大手IT企業とのパイプがありますから、クライアントの中国事業もサポートできます。

9.――マーケティング事業と並ぶ事業の柱であるシナジー投資事業では、どの分野への投資に注力していく方針ですか。

鉢嶺 IT分野には大きな波が次から次へとやってきますが、我々は波に乗り続ける方針で投資に取り組んでいます。直近では、シェアリングエコノミー分野で、出資先のネット印刷会社ラクスルが18年に東証マザーズに上場しました。さらにAI(人工知能)、ブロックチェーンなど次の波の情報がシリコンバレーや中国から入ってくるので、投資対象に加えていきます。

10.――投資の可否を判断する基準は何でしょうか。

鉢嶺 投資先候補を数十項目の評価項目で審査して投資するかどうかを判断しています。一番重視するのは経営者と経営チーム、それから目線の高さを重視します。売上高100億円をめざすのか、1000億円をめざすか、1兆円をめざすのか。その目標に対してビジネスモデルに実現可能性があるかどうかを見極めます。

11.――では、鉢嶺社長の目線はどこに向かっていますか。

鉢嶺 ひとつは、デジタル化教育。デジタルに弱い方をデジタル武装させたり、旧来技術者をAI技術者にシフトさせたりします。企業のデジタルシフトには社員のデジタルシフトが不可欠ですから。それから、AIとロボティクスで労働力不足を補って企業成長を持続できる仕組みをつくり上げ、日本を、少子高齢化でも経済成長を続けていける世界で最先端の国にしたいと構想しています。

12.――ワクワクするお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

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