『RレコグECOG』が生み出す〝拍手!〞が チームを強化し、成果を高める

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新子 明希(あたらし・はるき)

株式会社シンクスマイル 代表取締役CEO 事業内容:『RECOG(レコグ)』の運営、お試しサイト『Tryfeel.collection(トラコレ)』の運営、セルフホワイトニングシステム『ホワイトニングネット』の販売 所在地 :東京都港区赤坂2-15-6 フィル・パーク赤坂 3F 設 立 :2007年6月 URL :https://5smile.com/(企業サイト)https://www.recog.works/ja/(RECOG) 1972年大阪府生まれ。2007年シンクスマイル設立。現在は、社内モチベーション向上SNS「ホメログ」や「RECOG(レコグ)」を社内開発、販売している。「称賛文化の形成」や「従業員エンゲージメントの向上」を促進させるアプリの開発販売を通じて、毎日の「働く」が楽しくなる世の中の形成を目指している。

特集『RレコグECOG』が生み出す〝拍手!〞が チームを強化し、成果を高める

1.称賛文化の創出

働きやすい職場かどうかは、就労条件や業務体系も重要な要素だが、それ以上にコミュニケーションの良し悪しで決定づけられる。これは、どの業種にも共通した原則だ。いつの時代にもコミュニケーション改善ツールが多様に開発される所以だが、多くは一時的な効果にとどまり、持続性に乏しい。

この通弊を克服したのがシンクスマイルだ。同社が開発したチームパフォーマンスアプリ『RECOG』(レコグ)の効能を一言で説明すると〝AI(人工知能)による称賛文化の創出と定着を通した社員の行動変容〞である。社長の新子明希は「米国人は他人に称賛されると『I know!』と返すが、日本人は『いや、いや、とんでもない』と謙遜するので、日本には他人を称賛する文化が薄い」と指摘する。

誰しも称賛されれば意識変容と行動変容を起こすものだ。RECOGは、社員同士が称賛し合い、エンゲージメント向上を促す。エンゲージメントが向上すると、モチベーション向上や、パフォーマンス向上などのいい効果が出やすい土壌ができあがる。社員は他の社員の言動に「すごい!」「さすが!」と思ったらRECOGにアクセスし、その言葉の重み(NICE GREAT FANTASTIC)を選択し、同時に6つのスタンプ(セルフスタート、アイディア、タフ、スピード、ホスピタリティ、チームワーク)から、どんな行動を称賛するかを選び(AIがスタンプをレコメンドしてくれる)、レターを送信する。送信内容はすぐさま社内でシェアされる。シェアされたレターの内容に共感した社員は「拍手!」ボタンを押して、称賛の輪を広げていく。

受け取ったレターには「やる気アップ」などのリアクションができるとともに、レターの内容が心に響けば、「MY SPECIAL」として登録できる。この仕組みから組織と個人の状態が見えてくるという。

「チームページでは、各メンバーのレターや『拍手!』の合計からチームの状態がひと目で分かる。チーム全体の強みや、メンバー間で飛び交った感情の種類も集計される。経営幹部は、各メンバーの参加状態など、より詳しい情報もチェックできる。また、離職予備軍は積極的にRECOGに関わろうとしないので発見しやすく、RECOGの活用で離職率が30%も下がった企業もある」

RECOGの導入先は企業だけでなく、日南市役所、鎌倉市役所などの公的機関も導入をしている。政府も同社に関心を示し、新子は、厚生労働大臣政務官の大沼瑞穂議員と議論を進めている。「働き方改革の必須要件はインパクト(社会的意義)、パフォーマンス(業績)、ハピネス(社員の幸福度)を同時に最大化すること」

この見解が就労体系の制度設計に投入されれば、公的制度に血が通うのではないか。

これだけの耳目を集めるツールは業績も押し上げている。2017年12月期の売上高は7億5000万円、経常利益は5800万円。18年12月期はそれぞれ10億円、1億5000万円を見込み、21年に株式上場を計画している。

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